キャッシュ・フロー計算書入門②:キャッシュ・フロー計算書の作り方

 こんにちは、今回は、キャッシュ・フロー計算書入門の第2弾。今回は、キャッシュ・フロー計算書の作り方を見ていきます。

キャッシュ・フロー計算書作成の流れ

1.貸借対照表の増減を求める

 キャッシュ・フロー計算書を作成するには、期首の貸借対照表(B/S)と期末の貸借対照表(P/L)を用意します。2つ貸借対照表から、資産・負債の増減を求めます。資産が増加すると現預金は減るので、マイナス表記になります。負債・純資産が増加すると、現金は増えるのでプラス表記になります。

2.貸借対照表の増減をCF項目へ振り分ける(CF仕訳)

 次に、貸借対照表の増減を要因別にCF項目に振り分けます。CF項目とは、キャッシュ・フロー計算書の勘定科目に当たるものです。固定資産を例にしてみましょう。

  • 取得(+) ▶ (投資CF) 固定資産の取得による支出
  • 減価償却(−)▶(営業CF) 減価償却費
  • 売却(−)▶(投資CF) 固定資産の売却による収入
  • 減損損失(−)▶ (営業CF) 減損損失
  • 除却損(−)▶ (営業CF) 固定資産除却損

 ちなみに、貸借対照表の増減をCF項目に振り返る仕訳をCF仕訳といいます。

3.CF項目を集計し、CF計算書を作成する。(CF精算表)

 最後に、CF項目を集計します。財務諸表でいう総勘定元帳の締め切り処理です。このときに使う集計表をCF精算表といいます。

 

実際例

 前回同様、コの仕入れの例で見ていきましょう。

① 5万円のコーヒー豆を掛け仕入れる。

 仕入(棚卸資産) 5万円/ 買掛金 5万円

 BS

(資産)棚卸資産5万円(負債)買掛金5万円
5万円5万円

PL

売上高0万円
仕入高5万円
期末商品棚卸高5万円
売上原価0万円
売上総利益0万円

CF

税引前当期純利益0万円
棚卸資産の増加△5万円
買掛金の増加5万円
営業CF0万円

② 20万円のコーヒーをクレジットで販売する。

売掛金 20万円/売上高 20万円

仕入(売上原価) 5万円/仕入(棚卸資産)5万円

BS

売掛金20万円買掛金5万円
利益剰余金15万円
資産 合計20万円負債・純資産 合計20万円

PL

売上高20万円
仕入5万円
売上原価5万円
売上総利益15万円
営業利益15万円

CF

税引前当期純利益15万円
売掛金の増加△20万円
買掛金の増加5万円
 営業CF0万円

③ この時、10万円のアルバイト代が発生した。

人件費 10万円/未払金 10万円

BS

売掛金20万円買掛金5万円
未払金10万円
利益剰余金5万円
資産 合計20万円負債・純資産 合計20万円

PL

売上高20万円
仕入5万円
売上原価5万円
売上総利益15万円
人件費10万円
営業利益5万円

CF

税引前当期純利益5万円
売掛金の増加△20万円
買掛金の増加5万円
その他流動負債の増加10万円
営業CF0万円

④ クレジット会社から売上代金の入金がある。

現預金(営業CF) 20万円 / 売掛金 20万円

BS

現預金20万円買掛金5万円
未払金10万円
利益剰余金5万円
資産 合計20万円負債・純資産 合計20万円

PL ▶ 変化無し<以下同じ>

CF

税引前当期純利益5万円
買掛金の増加5万円
その他流動負債の増加10万円
営業CF20万円

⑤ 仕入れ業者に仕入代金を支払う。

買掛金 5万円 / 現預金(営業CF) 5万円

BS

現預金15万円未払金10万円
利益剰余金5万円
資産合計15万円負債・純資産 合計15万円

CF

税引前当期純利益5万円
その他流動負債の増加10万円
 営業CF15万円

⑥ バイト代を支払う。

未払金 10万円 / 現預金(営業CF)10万円

BS

現預金5万円利益剰余金5万円
資産 合計5万円負債・純資産 合計5万円

CF

税引前当期純利益5万円
営業CF5万円
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